柴くんって新世代の太田省吾だと思ったんだよね。
柴作品は女の子の描き方が印象的。
だから男しか出てこない作品を書いて欲しかった。
ミラーボールとラップでハッピーだけじゃねーんだよって、声を大にして言いたい。

邦生くんの作品って、
僕だったら絶対しない演出ばっかりしてる。
男くさいのをつくるのは苦手、
だけど自分が見るなら大好物。
だからこそ挑戦したいです。 正直、邦生くんの主張はどうでもいいです。
とにかく面白い戯曲を書きたい、書きます!

更地にたたみを敷いた。

たたみは部屋を生んだ。
部屋は暮らしは生んだ。
暮らしは家を、町を、国を、人を、ゴミを、思いを生んだ。

そして、ピークが訪れた。
この世はものであふれた。
もう誰も死ななくなった。

医療の進歩は人間の寿命を更に伸ばした。
電子媒体への記憶の移植も可能になった。
ロボットによる生き直しは安価になり流行している。
レコーダーは自分の身に起こったすべてを記録する。
過去の景色と記憶は全部たたみの下にしまってある。

4人の男はそんな時代の一室に居る。
父親と母親と子供と隣人。
思い出の品で溢れた部屋の中、蒲団を敷いて眠っていた。
彼は考えていた。彼はずっと考えていた。
翌朝、彼は家族に告げる。

「俺が、これを、終わらせる」

もう見て見ぬふりはできない。
かならずその日はやってくる。
誰かがやらなければいけない。

だから、いま、たたみ、はじめる。



先行特典

*先行予約は終了いたしました。6月28日[日]より一般発売を行います。


杉原邦生デザイン、
マフラータオル(非売品)をプレゼント


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先行販売はすでに終了しています。お申込いただいた方はお楽しみに!

マフラータオルはLIVEイベントの、夏のオシャレのマストアイテム・・・・だから、先行予約特典はこれ!ぜひこれを身につけてアツい夏のKUNIO12『TATAMI』を盛り上げちゃってください!!
※注:マフラータオルは作品内容とは一切関係ありません(笑)
杉原邦生

企画の出発点は2012年に京都のみで上演された
KUNIO10『更地』[作:太田省吾]。
大学時代の恩師でもある太田省吾氏の戯曲を、
カンパニーの節目となる10作品目として上演しました。
その2年後、あのとき描いた未来への希望や願いの先にある“現在”(いま)のわたしたちの物語を、
同世代の劇作家とともにつくりたいという杉原の強い想いで、
この企画がスタートしました。

「戯曲として強い作品を書きたい」と、
執筆のみの書き下ろしを提供するのは初という劇作家・柴幸男と、
ポップでハイテンションな演出で
作品に対する観客の予想を裏切りながらも
戯曲の本質を浮き彫りにしてきた演出家・杉原邦生の二人で挑む
KUNIO12『TATAMI』。

現在(いま)、
演劇になにができるのか、
演劇でなにができるのかを問う、
KUNIO初の新作戯曲による新作公演にご期待ください。