KAAT・KUNIO共同製作
KUNIO15『グリークス』
10時間のギリシャ悲劇一挙上演!
人間と神、正義と過ち、秩序と混沌が入り乱れる一大狂宴演劇。
1980年イギリスで初演された『グリークス』は、10本のギリシャ悲劇をひとつの長大な物語に再構成した長編戯曲。第一部「戦争」、第二部「殺人」、第三部「神々」からなる三部構成で、上演時間は10時間にも及ぶ大作です。本作品に、2011年KUNIO09『エンジェルス・イン・アメリカ』第1部「至福千年紀が近づく」・第2部「ペレストロイカ」の連続上演以降、木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談―通し上演―』(2013・17年)、同『三人吉三』(2014・15年)と、コンスタントに長編戯曲の上演に取り組み、2018年にはKAAT神奈川芸術劇場プロデュース『オイディプスREXXX』で初めてギリシャ悲劇に挑戦した杉原邦生が、満を持して『グリークス』全三部連続上演に挑みます。
また、今回の上演にあたっての新翻訳を、翻訳家の小澤英実さんが担当いたします。どうぞご期待ください。
僕は〈大きな演劇〉が好きです。僕の言う〈大きな演劇〉とは、時間や空間、物量など物理的な〈大きさ〉の上に、物語としての〈大きさ〉をあわせ持った演劇のことです。簡単に言えば、長ったらしくて壮大なストーリーの演劇が好きということです。なぜなら、長い時間をかけることでしか表現できない物語や世界があるから。そして、そういう作品でしかつくり出せない祝祭的な時間と空間がたまらなく好きだから。それが僕の思う〈大きな演劇〉の魅力であり、『グリークス』はその魅力が詰まりまくった演劇だと言えます。
「誰のせいだったのか。」─── 約2500年前、古代ギリシャで生まれた悲劇10本によって紡がれるこの物語が、現代の僕たちに投げかけてくる問い。それは、とてもシンプルです。人は抱えきれないほどの不幸や災難、苦しみや悲しみに襲われたとき、必死にその原因をわかりやすい形で求めはじめます。やがて、ひとつの答えが導き出されると、憎しみや怒りが湧き上がり、そのものを消し去りたいと強く願います。そして、その強い願いがまた新たな悲劇を生み出していくのです。
「誰のせいだったのか。」と過去を掘り下げていくことが悲劇を生み続けていく。この連なりは一体いつになれば終わるのか。いつになれば人間は悲劇から解き放たれるのか。もしかすると、この〈大きな〉問いと戦い続けることこそ、《戦争》も《殺人》もなくなることのない世界に生きる僕たち人間に、《神々》が与えた宿命なのかもしれません。しかし、この宿命はひるがえって、〈希望〉であるとも言えます。これまで答えの出ない問いに向かい続けることができたのは、そこに僕たち人間が僅かながらも可能性を見出してきたからだと思うからです。
10時間という長大な上演時間の中、古代ギリシャの悲劇を通して、人間が見出したその〈希望〉を生き活きとエキサイティングに現代へ描き出したいと考えています。そして、この〈大きな演劇〉が持つエネルギーとその魅力を、ぜひ劇場で共に体感してほしいと願っています。
◆東京プレビュー公演のお知らせ◆
11月1日(金)13:00 第一部 / 17:00 第二部
11月2日(土)13:00 第三部
会場:森下スタジオ
チケット情報などはこちらから
上演時間[11月23日現在]
第一部 3時間*途中10分間の休憩2回を含む
第二部 2時間35分*途中10分間の休憩2回を含む
第三部 3時間10分*途中10分間の休憩2回を含む
11月21日(木)開幕!KUNIO15「グリークス」Trailer公開中[2019.11.6]
- 編・英訳:
- ジョン・バートン, ケネス・カヴァンダー
- 翻訳:
- 小澤英実
- 演出・美術:
- 杉原邦生
《 出演 》
アガメムノン 天宮良
クリュタイムネストラ 安藤玉恵
テティス 本多麻紀[SPAC-静岡県舞台芸術センター]
ヘレネ 武田暁[魚灯]
アンドロマケ 石村みか[てがみ座]
アイギストス 箱田暁史[てがみ座]
メネラオス 田中佑弥[中野成樹+フランケンズ]
アキレウス 渡邊りょう
ブリセイス 藤井咲有里
ピュラデス 福原冠[範宙遊泳]
タルテュビオス 森田真和
オデュッセウス 池浦さだ夢[男肉 du Soleil]
エレクトラ 土居志央梨
エウクレイア 河村若菜[SPAC-静岡県舞台芸術センター]
ヘルミオネ 毛利悟巳
カッサンドラ 森口彩乃
ニテティス 井上夕貴[さいたまネクストシアター|PAPALUWA]
クリュソテミス 永井茉梨奈
ポリュクセネ 中坂弥樹
オレステス 尾尻征大
イピゲネイア 井上向日葵
岩本えり
三方美由起
山口光
ヘカベ 松永玲子[ナイロン100℃]
プリアモス 外山誠二[文学座]
・
老人 小田豊
[登場人物相関図が特設サイトからご覧いただけます。]
《 スタッフ 》
音楽:Taichi Kaneko、西井夕紀子
振付:白神ももこ[モモンガ・コンプレックス]
照明:高田政義[RYU]
音響:稲住祐平*
衣裳:藤谷香子[FAIFAI]
舞台監督:藤田有紀彦*
京都公演舞台コーディネイト:大鹿展明
演出助手:大原渉平[劇団しようよ], 木之瀬雅貴, 西岳[シラカン]
プロダクションマネージャー:山添賀容子*
技術監督:堀内真人*
宣伝美術:加藤賢策[LABORATORIES]
文芸:稲垣貴俊
特設サイト制作:小林タクシー
版権コーディネイト:株式会社シアターライツ
制作:河野理絵, 前田明子, 加藤仲葉 ,つくにうらら
制作統括:横山歩*
プロデューサー:小林みほ[KUNIO], 千葉乃梨子*, 井出亮[京都公演]
*はKAAT神奈川芸術劇場
《 掲載記事 》
・読売新聞 夕刊+デジタル [2019.12.17]
2019年演劇回顧 大作に見応え 社会性も光る
・朝日新聞 夕刊 [2019.12.12]
回顧2019|現代演劇 個々の物語「体験」届ける力
・朝日新聞 夕刊 [2019.12.12]
感歓劇|“古典の再解釈 舞台で過去は生き直される” 河合祥一郎
・毎日新聞デジタル [2019.11.29]
舞台縦横ときどきナナメ KUNIO15「グリークス」戦争責任は誰に? 現代の観客のため再構成されたギリシャ悲劇
・朝日新聞 夕刊[2019.11.28]
評・舞台 KUNIO・神奈川芸術劇場「グリークス」善悪の判断、神々も迷う時代
・読売新聞 夕刊 [2019.11.26]
評『グリークス』KUNIO、KAAT神奈川芸術劇場 女優たちのコロス出色
・神奈川新聞 夕刊[2019.11.22]
「演劇の本質」ここにあり ギリシャ悲劇「グリークス」
・The Japan Times[2019.11.20]
Bringing a Greek tragedy to 21st-century Japan
・日本経済新聞 夕刊[2019.11.19]
10時間大作古典 軽快に ギリシャ悲劇「グリークス」横浜で上演へ
・スマートフォンアプリ「ぴあ」[2019.11.12]
異才・杉原邦生が10時間の大作『グリークス』を演出
・ステージナタリー[2019.11.9]
KUNIO「グリークス」開幕、杉原邦生「10時間の上演時間の先に見える景色」
・演劇最強論-ing[2019.11.6]
KUNIO15『グリークス』杉原邦生インタビュー“ 神様と人間の関係が変わっていく、それを描くにはやっぱり10時間が必要なんです。”
・京都新聞 朝刊[2019.11.6]
時代の流れに逆らう10時間 杉原邦生インタビュー
・朝日新聞 夕刊[2019.10.31]
約10時間のギリシャ劇「グリークス」杉原邦生が挑む
・京都芸術劇場 このすけブログ[2019.10.16]
KUNIO15『グリークス』演出家・杉原邦生さんインタビュー
・ステージナタリー[2019.10.8]
杉原邦生×小澤英実|対談 “言葉は演出の一部、だからどう訳すのかにこだわる”
・Time Out TOKYO[2019.10.5]
今秋上演の四代目市川猿之助との「新版オグリ」と大作「グリークス」
・KUNIO15『グリークス』安藤玉恵×杉原邦生|対談 全4回公開中![2019.10.19]
ギリシャ悲劇はダンスや音楽、
怒りに涙、笑いが詰まった一大エンターテインメント!
・ステージナタリー [2019.7.10]
「グリークス」に杉原邦生「大きな演劇が持つエネルギーとその魅力を劇場で」
・エンタメ特化型情報メディア SPICE[2019.7.9]
10時間のギリシャ悲劇『グリークス』を一挙上演 演出家・杉原邦生よりコメントが到着
・ローチケ演劇宣言![2019.7.9]
KUNIO15『グリークス』公演詳細発表!演出・杉原邦生よりコメントが到着
・京都芸術劇場 ニュースレター[2019.7.1]
杉原邦生×安藤玉恵対談|ギリシャ悲劇はダンスや音楽、怒りに涙、笑いが詰まった、一大エンターテイメント!
・ステージナタリー [2019.5.30]
杉原邦生演出のKUNIO15「グリークス」に天宮良・安藤玉恵ら
・エンタステージ[2019.2.12]
KAAT2019年ラインアップ発表会レポート「劇場は、劇的なるものと出会う場所」
・NorieM[2019.2.7]
KAAT神奈川芸術劇場2019年度ラインナップ発表会開催!!
・ステージナタリー[2019.2.6]KAAT2019年度ラインナップ発表、白井晃「限界に挑戦するような1年に」
・ORICON NEWS[2019.2.6]神奈川芸術劇場、2019年度主催タイトル20作品発表 演出家たちが思い語る(写真 全11枚)
・KAAT神奈川芸術劇場2019年度ラインアップ[2019.2.6]日程・会場
京都 令和元年度文化庁芸術祭参加公演
日程
会場
共催:KUNIO / 合同会社KUNIO,Inc.
助成:助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
主催:京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター
神奈川
日程
会場
企画・製作:KUNIO / 合同会社KUNIO,Inc. KAAT神奈川芸術劇場
助成:公益財団法人セゾン文化財団 芸術文化振興基金
主催:KUNIO / 合同会社KUNIO,Inc. KAAT神奈川芸術劇場